文芸誌やファッション誌などの定期刊行物に連載していたものを
1冊の書籍にするパターンは良くみられます。
この本も、そのパターンで発売された1冊です。
この作品は「新刊展望」に連載されていたショートショートを書籍化したもの。
筆者「石田衣良」が川端康成の「掌の小説」を読んで感心している時に寄稿を求められて
誕生した短編集だとの事です。
毎回原稿用紙10枚程度のボリュームで綴られるこの連載にテーマはありません。
石田衣良が日々出会ったことや、知り合いがモチーフとなったちょっと愛すべき人間を
主人公としながら、10枚という限られた世界で石田ワールドを表現しています。
作品自体は、最近の石田衣良らしい読みやすい文調で語られる為、
読み応えとしては然程期待できるものではありません。
ただ、この作品の中で評価できる点、それは各短編集の前に夫々石田自身が綴る「前書き」。
この前書きのおかげで、読みやすさと軽さが目立つ本編に、違った目線が加わります。
彼が何をテーマとしたかったのか、彼が何を伝えたくてこの話を誕生させたのか。
個々の話ごと、誰かに解説してもらいなから読む感じです。
でも、決してうるさくなく、丁度いい頃合のガイドのような程度で。
私は短編集の一番最初に登場する「ナンバーズ」がオススメです。
彼の思いが一番色濃く乗せられている1作だと思います。
ちなみに。
この『てのひらの迷路』刊行を記念したサイン会が11月25日(Fri)午後6時から
渋谷・ブックファーストにて行われるそうです。
ブックファーストにてこの書籍を購入した方に、整理券が配られています。
先着200名とのことですので、欲しい方はお見逃し無く!
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